子供に最短で10までの足し算を教えるには?5進数から始める算数講座
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- 子供が絶対に足し算と引き算をマスターできる!ステップアップ算数トレーニング勉強法とは?計画とフィードバック実践講座
前回は「子供が勉強する動機のパターンと学習方法の選び方」というテーマでした。
上のリンクから各回の記事にジャンプできます。
気になる方は前回も見てくださいね。
このシリーズでは小学校1年生の算数の学習の進め方について説明します。
第3回もよろしくお願いします。
(今年入学した6歳の娘に勉強のコツを教えたい・・・)
第3回目は、子供に10までの足し算を教える方法を教えます。
子供が10までの足し算を学ぶ手順とは?
3回では学習することを取り上げます。
足し算を理解する手順を考えたことはありますか?
- 何を学ぶか知る
- 学ぶ内容の前提となる知識・スキルを知る
- 子供の知識・スキルを知る
- 学ぶ目的(子供の動機)を確かめる
- やり方を決める
- 学習する
- 結果を確かめる
いよいよ子供に教える段階ですね。
1+1は2から始める、とかでしょうか?
足し算を学ぶときにも手順があります。
正解の手順は学校のカリキュラムです。
学校のカリキュラムは子供が順番に聞いているだけで理解できるようになっています。
ですが、カリキュラム内容や教科書を見てもも親はピンとこないかもしれません。
あるいは先生みたいな説明ができないかもしれませんね。
そんな時は自分(親)が持っている成功パターンを使って教えていくことになります。
手順が分からない時は過去の成功パターンを当てはめて教えます。
例えば、とにかく音読!みないなやつです。
(学習法は重要ではないという話は覚えてますか?)
「学習する」といっても、成功させるためのコツには色々なパターンがあります。
1つでも多く学習に成功するパターンを知れば、実際に使っていけるケースも増えるものです。
子供に合った教え方ができるので、自宅学習はある意味では有利といえます。
- 教科書を音読する
- プリントで計算問題をたくさん解く
- Youtubeで解説動画を見る
- だれかに教えてみる
- 理解度テストを受験する
- 文章問題をやってみる
- 新聞を読む
- 学校のテストを復習する
- 自分でテスト問題を作ってみる
単純に方法をリストアップしてもこれだけの種類があり、どれが子供に合うかはやってみないと分かりません。
「勉強時間さえ確保したら成功」を合言葉にトライしてみましょう!
子供が10までの足し算を理解するための前提知識とは?
どの方法で勉強するにしても、絶対に外してはならないポイントが1つあります。
それば前提知識を確認することです。
子供が足し算を理解できる状態かどうか確かめてみてください。
- 具体的な物の数をかぞえられる(○○は何個ある?)
- 具体的な物の合わせた数を聞かれて、何を答えたらいいかを理解している(○○と××合わせて何個ある?)
- 指などをつかって合わせた数を答えられる(指で数えてみたら?)
うちの子(6歳)に聞いてみたら、こんな答えが返ってきました。
何個ある?(正解は4個)→1,2,3、4。4個ある
合わせて何個?(4+2)→わかんない
指で数えてみたら? →1,2,・・・、6。6個だった
このように、足し算の前提知識は物の数をかぞえることです。
最初に食べ物や食器の数をかぞえたいという動機(欲求)があって、それを効率的にやるために足し算を覚えるの子供の自然な成長過程といえるでしょう。
数をかぞえたいという動機が先で、足し算という手段が後です。
決して逆ではないので注意してください。
足し算を練習してから「さてこの知識をどう使おうかな?」とやると失敗します。
子供が自然に持っている「成長したい」という願望願い。
それを適度に刺激するだけと考えてください。
とはいえ、子供の成長は人それぞれ。
うちの子は全く興味を持ちません、というケースもあるかもしれません。
そこで、子供が全く数に興味を持ってない時の対策をいくつか紹介します。
子供に数に興味をもってもらうための対策 | 声掛け例 |
一緒に買い物に行く | たまごは何個入っているかな? こっちのパックは4個入りだから、こっちを買いましょう。 |
一緒にご飯の準備をする | お皿を1枚づつ出してもらえる? ○○をお皿に入れてね。何個入れたらいいかな? |
一緒に公園に行く | ブランコは何個ある?→〇人まで遊べるね。 ジャングルジムの入り口は何個あるかな? |
一緒に片付けをする | ○○を決まった場所に戻そうね。何個あったかな? ごみを拾って捨てよう。何個拾えたか教えてね。 |
小学校1年生ぐらいの場合、これらの対策から1つか2つぐらい実行するだけで、1週間ぐらいで効果が出てくるものです。
買い物なら数のことを話題にできそうなので今度試してみます。
ちょっとしたコツを知っていれば、日常生活でも数を話題にできるタイミングに気付けるようになりますよ。
ただし注意点が1つあります。
子供が話を聞かないタイプだったら、相手の興味に合わせて話題を用意しないとダメです。
こちらが話したいことは聞いてもらえなくて当然という心構えを持ってください。
この場合、相手の興味から出発してから数に関心をもっていく必要があります。
子供に「足し算ができるようになりたい!」と思わせるための効果的な方法とは?
学習の目的※によらず効果を高める方法があります。
※前提知識の獲得、式の理解、繰り上げの練習、計算スピード教科、・・・
いつものように動機についてです。
というか、子供の教育とは動機付けが全てといっても過言ではないと思います。
子供が「成長したい!」と思うための要素は2つしかありません。
子供が「成長したい!」と思うのは現状に不満があるから
1つめの要素は不満。
つまり子供が現状に問題を感じることです。
- ゲームで負けて悔しい
- 時間がなくてご飯を最後まで食べれなかった
- おやつが1つ足りない(自分だけ1つ少ない)
- 走るのが遅い
- 朝起きるのがつらい
問題は何でも構いません。
算数に関係がなくても良いです。
親がするべきなのは子供が感じている問題点を把握しておくことです。
子供が感じている問題点を何個リストアップできるか試してみてください。
10個ぐらいスラスラ出てくるのが理想です。
また、意図して問題を作りあげることで子供をコントロールすることも可能です。
ただし、この方法はかなり難易度が高いので普通の方にはおすすめしません。
小手先のテクニックで子供を操ろうとしても逆効果になることも多いからです。
親が子供をコントロールすることは躾をすることと同じだと思いませんか?
ちなみに、躾は生活面で親が子供をコントロールすることです。
公正さ、社会ルール順守、一貫性という特徴があります。
軽はずみな気持ちで躾をするなんてありえないですよね?
子供にとって絶対に必要だと信じているからこそ、できるようになるまで何度でも言い聞かせたり叱ったりするはずです。
それこそ自分の人生をかけてでも必要と信じているから、厳しいことも言うはずです。
だから、子供をコントロールしてはいけません。
分かりました。
だからこそ子供が今感じている問題点を知っておくことが大事なんですね。
解決できると思うから子供は「成長したい!」と思って勉強する
2つめの要素は可能性。
つまり子供が勉強すれば問題を解決できると、子供自身が信じることです。
- (ゲームで負けたけど)練習したら勝てるはず!→だから練習する。
- (テストで0点を取ったけど)勉強したら点は良くなるはず!→だから勉強する。
- (背が低くて悩んでいるけど)好き嫌いしないでたくさん食べたら背が伸びるはず!→だから好き嫌いしない。
勉強をはじめるために最も大切なのは、成果が出ると子供が信じることなのです。
親に言われて内心嫌がりながらも机に向かうのは本当の勉強ではありません。
それは勉強するフリです。
学校に通う子供の大部分は、実は嫌な状態(親の小言・教師の目・テスト・競争)から逃れるために勉強している可能性はないでしょうか?
そのような子供たちのホンネは「勉強したくない」です。
私の子供時代を思い出します・・・
幼児教育アカデミーは、このような状況を変えたいとの理念から生まれました。
子供たちがホンネで「勉強したい!」と思って勉強している状態が理想ですよね?
蛇足ですが、理解度テストなどのサービスを低価格で受けられるようにしている背景でもあります。
子供の動機や意識にアプローチするのは手間や時間がかかるのでは?
と思うかもしれません。
ですが、結局は子供の意識がホンネで「勉強したい」にならないと、
子供は勉強しないのです。
子供がホンネで「勉強したい」と言ったとき、次に紹介するような個別のテクニックが有効になるのです。
子供に10までの足し算を教えるときにおすすめの5進数とは?
10までの足し算が苦手な子供によくある原因は、5以下の足し算がしっかり身についてないことです。
試しに次の問題を子供に出してみてください。
1秒以内に答えが言えたら合格です。
- 1+1
- 1+2
- 1+3
- 1+4
- 2+1
- 2+2
- 2+3
- 3+1
- 3+2
- 4+1
このような5までの足し算が素早くできることは大切です。
なぜなら、今から紹介する5進数テクニックを使うと55までの足し算・引き算ができるようになるからです。
もちろん繰上げ・繰下げもラクラクできるようになります。
5進数テクニックとは、0・1・2・3・4の5つの数と、5の塊が何個あるかだけで計算することです。
例えば、17+4を計算してみます。
17は5進数で考えると5の塊が3個と余りの2。
答えが0・1・2・3・4のどれかを考えるには、2+4をすればいい。
2+4の計算は、5までの足し算ができる小学校1年生ぐらいの子供であれば驚くほどすぐに慣れます。
上記の練習で4+1=5が身についているので、頭で数をイメージして瞬時に答えがわかるようです。
このやり方なら10ぐらいの足し算は簡単にできそうですね。早速子供に教えてみます!
答えの「1」が分かった後で、5の塊を数えます。
5の塊を数字にするときは、最初は指を使って覚えるのがよいでしょう。
左手の親指から順に5、10、15、・・・としていけば、両手を使えば50まで計算できます。
指を使うのは良くないと考える方もいるかもしれませんが、指を動かすのは脳に良い刺激を与えます。
また記憶術の観点からも合理的なやり方です。
ぜひ積極的にお子さんに使わせてあげてください。
このページのまとめと次回のテーマ
ここまでのまとめです。
小学校1年生の足し算(10まで)を学ぶというテーマで、学習を成功させる3つの要素を紹介しました。
今回は親子がともに主体的に活動する部分を扱っています。
前提知識は親が主体で子供は協力。
問題と解決策は子供が主体で親はサポート。
テクニックは親の活動が全て。
このような関係があります。
次回は「計画とフィードバック実践講座」というテーマで、小学校1年生の算数ではどんな学習をして、その結果をどうやって子供にフィードバックすればいいかを説明します。
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