小学校3年生から必修の英語教育についての対策、教育の考え方における2つの重要なポイントとは?

2021年4月29日

2020年度から英語教育が変わることはご存知でしょうか?

このページでは、

「2020年度から英語教育がどう変わるのか?」

「どのような対策をすればいいのか?」

といった疑問に答えながら、これからの時代を生きていく子供たちに最適な英語教育とは何か?

というテーマで解説します。

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2020年度から英語教育がどう変わるのか? なぜ変わるのか?

2020年から小学校から英語授業が必修となります。

必修で変わるところは、

  • 小学校3年生から「外国語活動」が始める
  • 小学校5年生から英語が教科になる(国語や算数とおなじようにテストが行われ、成績が付く)

の2点です。

英語が必修になった背景には、文部科学省の指針があります。

文部科学省によると「 グローバル化の進展の中で、国際共通語である英語力の向上は日本の将来にとって極めて重要である。 」とのことです。

文部科学省の「今後の英語教育の改善・充実方策について 報告~グローバル化に対応した英語教育改革の五つの提言~」というページに書いてある現状認識によると、「 2050(平成62)年頃の日本人は外国人と 協調と競争する環境にある」とあります。

我が国では、人々が英語をはじめとする外国語を日常的に使用する機会は限られている。しかしながら、東京オリンピック・パラリンピックを迎える2020(平成32)年はもとより、現在、学校で学ぶ児童生徒が卒業後に社会で活躍するであろう2050(平成62)年頃には、我が国は、多文化・多言語・多民族の人たちが、協調と競争する国際的な環境の中にあることが予想され、そうした中で、国民一人一人が、様々な社会的・職業的な場面において、外国語を用いたコミュニケーションを行う機会が格段に増えることが想定される。

https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/shotou/102/houkoku/attach/1352464.htm

つまり、日本語を使って日本人を相手に仕事をする今とは違って、 2050年には英語を使って多種多様の外国人たちを相手に仕事をするようになるということです。

そのような環境で生きていく子供たちに、今、どのような教育をすればよいのか?

この質問に誰もが自信をもって答えることができる社会をつくること。

これが幼児教育アカデミー設立の理念です。

それでは、どのような教育をすればいいでしょうか?

単純に英語を勉強すればいいのでしょうか?

外国の多様な文化を勉強すればいいのでしょうか?

逆に、日本の文化を勉強すればいいのでしょうか?

ここから、「英語」という観点で教育について考えるうえでのポイントを2つ説明してきます。

ポイント1:英語教育は最低限にして様子見

まず、英語教育に力を入れる必要は、現段階ではないと考えています。

英語を本当に学習するには高いレベルの環境が必要ですが、その環境を用意するにはお金と時間がかかりすぎます。普通の家庭では、英語教育に力を入れるよりも、英語以外にお金と時間をかけるほうが良い結果になりやすい、ということです。

理由は2つあります。

理由1: 英語は使わないと忘れてしまうから、無駄になるリスクが高い

例えば、定期的に英語を使う環境です。

英語を定期的に使う環境としては、英会話学校・海外留学・外国人と友達になる、などがあります。

英会話学校は月1万円、海外留学は月数十万円、外国人と友達になるにはそれなりの時間がかかります。

例えば小学校から大学まで16年間ずっと英会話学校に通った場合は、合計192万円かかります。

ずっと通う必要はないのでは?と思うかもしれませんが、英語を子供に学習させるには英語を使わせ続ける必要があります。

子供は新しい学習を効率的にするため、使わないスキルはすぐに忘れてしまいます。

昔はできていたけど今は覚えてない・できなくなった、という経験は誰もが持っているのではないでしょうか?

これは何も特別なことではなく、子供の特性なのです。

この特性を無視して、無計画に数年間だけ英語教育を行っても、お金と時間の無駄になる可能性が高いです。

理由2:2050年に今の英語教育で学ぶスキルがいらなくなる可能性がある

2050年の状況については、確定している部分と分からない部分があります。

確定している部分:外国人がたくさんいて、英語でコミュニケーションしている。

分からない部分:今と同じ手法(いわゆる4技能:読み、書き、話す、聞く)を使っている。

ご存知の方も多いかもしれませんが、ポケトークという商品があります。

これは、 74言語対応の小型通訳機です。

正式な商品名は「POCKETALK W(ポケトークW)」といい、旅行程度の簡単な日常会話にはほぼ不自由しないレベルの高い翻訳精度を誇ります。

つまり、今の時点で低レベルな英語スキルは無駄になっていて、

これからの技術革新によって、さらに高いレベルの英語スキルも無駄になってしまう可能性があるのです。

また、2050年には声に出して会話するという方法自体なくなっているかもしれません。

脳に直結した端末を介して、声を発することなくテレパシーのように会話する。

そんな未来はありえない!と思うでしょうか?

しかし、今から30年前、1990年になされた未来予測がイメージしていたのは、今の世界と全くかけ離れた姿でした。

例えば、

誰もが携帯やスマホを持ち、その気になれば24時間リアルタイムで会話することができ、

YouTubeやTikTokなどの動画投稿サービスでは、地上波のテレビの何倍もの動画が生み出され続け、

コンピュータの性能を決める半導体の微細化技術は留まるところを知らないかのように進歩を続いています。

同じように、30年後の姿を予測することも不可能と考えた方がいいでしょう。

だからこそ、英語教育という不確実なところに貴重な子供の時間をつかうかどうか、慎重に判断して決めるべきなのです。

ちなみに、ポケトークはレンタルもできるようです。

時間があれば、ぜひ実際に使ってみたり、家電量販店の展示品を試してみてください。

実際の商品をとおして技術の進歩を確認すれば、英語教育について考える手掛かりになると思います。

もちろん、子供が英語に興味をもっていて、勉強したいとか、外国人の友達ができたとか言った場合は、止める必要はありません。

子供が興味をもって自発的に勉強するのであれば、よほどの例外(非合法な活動や身体に危険がある場合)を除いては、親は止めるべきではありません。

英語を勉強することに価値はあるので、子供の興味が英語に向いているのであれば、できる範囲で短期間だとしても勉強させるべきです。

この章で言っていることは、親の意思で子供に英語を勉強させる必要は、今の時点ではない、ということです。

ポイント2:教育のリソース(お金と時間)は英語より数学に投入する

それでは英語教育ではなくて何の教育をすればいいのか?

という疑問があると思います。

その答えは、「数学」です。

幼児教育アカデミーでは、数学能力の発達を優先して教育することが最良だと考えています。

詳しくはこちらのページに数学センスについて書いています。

一種の未来予測なので、確実ではないですが、 2050年にはコンピュータに使われるのではなくコンピュータを使いこなせることが必須と言えます。

その必須技能に直結するのが、数学(数学センス)です。

それゆえに、必要性が確実ではない英語よりも、確実に求められる数学に教育のリソース(お金と時間)をかけるべき、という考えです。

パワーを割くことが恐らく2050年で必須技能となるコンピュータを使う能力に直結します。

ちなみに、数学の次に重要になるのは「国語」です。

国語は数学センスの主要素である「思考」に直結する技能だからです。

しかし、「漢字の書き順を覚える」とか「古文漢文」とかいった必須技能とは呼べないものもあるため、学習した内容に無駄が少ない数学に比べれば重要度がすこし下がります。

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