小学生に勉強を教えるコツとは?子供の動機を確認するだけで○○を最大化できる理由
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前回は「小学校1年生の算数カリキュラムと求められる前提知識」というテーマでした。
上のリンクから各回の記事にジャンプできます。
気になる方は前回も見てくださいね。
このシリーズでは小学校1年生の算数の学習の進め方について説明します。
第2回もよろしくお願いします。
(今年入学した6歳の娘に勉強コツを教えたい・・・)
第2回目は、子供が勉強する動機のパターンと学習方法の選び方について教えます。
子供が算数を学ぶ目的を確かめる
幼児教育アカデミーで教えている学習7ステップの4~5が今回のテーマです。
- 何を学ぶか知る
- 学ぶ内容の前提となる知識・スキルを知る
- 子供の知識・スキルを知る
- 学ぶ目的(子供の動機)を確かめる
- やり方を決める
- 学習する
- 結果を確かめる
だんだん具体的な内容になってきた印象です。
学習の基本となる7ステップはどれも大切ですが、特に重要なのが今回の「学ぶ目的(子供の動機)を確かめる」です。
ここをミスして子供が誤った(失敗する確率が高い)動機で学習をしていると、中学生・高校生と学年が上がるにつれて色々な問題が出てきます。
- 勉強する気がおきない
- 部活で忙しくなった
- 友人関係でトラブル
- 学校の勉強についていけない
- 相性の良くない先生がいる
これらの問題は一見どれもバラバラの原因がありそうですが、多くの場合「誤った動機で学習してきたこと」が原因です。
学習する動機は人それぞれと思うかもしれませんが、実はパターンと成功率の優劣があります。
学習する動機の4パターン
ありがちな動機から順番に紹介していきます。
- 誰かに認められたい(褒められたい)
- メリットがあるから(将来のため)
- 自分の能力を高めたい(能力向上)
- もっと色々なことを知りたい(知的好奇心)
うちの子は褒められたくてやってますね。。。
それから、たしかに知的好奇心で勉強する子もいそうです。
幼児教育アカデミーが考える学習する動機には、「やらないと怒られるから」、「宿題だから」という理由は含んでいません。
このようなネガティブな動機は長続きしません。効果も出ません。
そのため、ネガティブな動機で勉強している状態は「勉強する動機がない」とみなします。
子供は本来、「成長したい」という欲求をもっています。
その欲求を自然に引き出すだけで良いので、難しいテクニックはいらないです。
○○くん(ちゃん)は何のために勉強してるの?と聞いてみてください。
聞くだけでいいなら簡単ですね。試してみます。
ところで、動機には優劣があるということですが、どれが良いんですか?
優劣といいますか、正確には子供の発達段階によって理想の動機は異なります。
分かりやすく表にしました。
子供の発達段階 | 理想の動機 |
入学前~小学校2年生 | 褒められたい8割 その他2割 |
小学校3年生~6年生 | 褒められたい4割 将来のため4割 能力向上 または 知的好奇心2割 |
中学校 | 褒められたい2割 将来のため4割 能力向上 または 知的好奇心4割 |
高校~大学 | 褒められたい1割 将来のため6割 能力向上 または 知的好奇心3割 |
小学校1年生ぐらいの場合、注意点は2つだけです。
1つ、褒められたいから勉強するのでOK。親子で動機を認識して、親はその動機を承認すること。
2つ、将来のためなど、褒められたい以外の動機があるか確認する。ない(子供が認識してない)場合は、色々なタイミングで子供が勉強のメリットに気付くように促すこと。
声かけ事例
- (引き算ができるようになったら)良かったね。これで一人でお買い物ができるようになるね。→将来のため
- (テストで100点を取ったら)やったね。頑張ったらそれだけ成長できて気持ちいいね。→能力向上
- (図書館で)ママも知らないことが書かれた本が沢山あってワクワクするよ。→知的好奇心
学年ごとに理想的な勉強のモチベーションがまとまっていてわかりやすいです!
どのように子供に声掛けしたらよいかも具体的に教えてもらったので使ってみます。
ちょっとしたコツを知っているだけで子供の成長は大きく違ってきます。
理想の動機(モチベーション)と声掛け事例をヒントに、いろいろ応用してみてくださいね。
学習をグンと効果的に進めるための方法とは?
次は勉強のやりかたについてです。
算数は積み重ね型の教科なので、いつ何をやるかが最重要です。
単元ごとの前提知識クリアは必須としても、それ以外の学習方法について解説します。
はじめに、どのように学習を進めるか決めるために考えるべきことをリストアップします。
- 今の学力で取り組める単元は何か?
- 教材は用意できるか?
- 子供はその内容をやりたがっているか?
- その単元は重要(他の前提になっている、ボリュームが大きい)か?
- 難易度はどうするか?
- 計算練習と応用問題のどちらをやるか?
たくさん考えることがありますね・・・
はい。何の指針もない独学であれば、このあたりを考えているうちに混乱して、行き当たりばったりの学習になりがちです。
まさに学生時代の勉強法はそんな感じでした。
実は、受験直前の1年間などの特別な時期でなければ、考えるべきことはたったの1つだけで良いです。
どうやったら勉強時間を最大化できるか?
考えるべきは勉強時間を確保することです。
教材の良し悪し、音声・動画・読み書き・計算、その他細かいテクニックは勉強時間の差に比べたら圧倒的に優先度は下がります。
極端な例で説明してみましょう。
教科書をひたすら読み続けるだけの勉強法と○○メソッドという凄そうな勉強法の効率はどれぐらい違うと思いますか?(ただし、覚えている内容を読むだけといった無駄はしないものとします)
わかりませんが、かなり違うのではないでしょうか?5倍ぐらい?
正解は最大で約2倍です。
3倍の勉強量※を確保すれば、方法論は考える必要がなくなると覚えてください。
※単純な時間ではなく正味の勉強量なので注意
また、1つの学習法を決めたら半年~1年間は続けることが大切です。
新しい教材、新しいノウハウ、新しい環境に慣れるためにかかる時間は自分で思うより長いもの。
勉強量=勉強時間を確保するコツは、自分でこれと決めた学習法(やりかた)を継続することです。
勉強量と成長量のイメージです。
1つめの成長段階に入るまでに3か月。
停滞期※を超えるためには半年が目安です。
※停滞期とは、勉強しても成長が感じられない期間のことです。一般的に基礎→応用の壁や、記憶→忘却の壁があるとされます。
勉強時間を確保するために必ずしなければいけない重要なことがあります。
ここまでに説明した内容を親子で共有してください。
- 勉強時間を確保することが最重要
- 勉強法(テクニック)は何でもよい
- 勉強法はコロコロ変えない
- 停滞期を乗り越える
その上で勉強のやり方は必ず子供が決めるようにします。
親は子供が決めた勉強法をサポートすることに徹してください。
子供が自分で決めた勉強法なら、もしやらなくなければ子供の責任です。
この状態を自責思考モードといいます。
子供が自責思考モードの親は次のことをするだけでOKです。
- 勉強の成果を確認して、子供に伝える
- 勉強ができてなければ、子供にその事実を気付かせる
- 子供が困っていたら、対策を一緒に考える
- もし子供の動機が失われていたら、(1つ前のステップ)に戻って子供の動機を探す
逆に親が決めた勉強法であれば、子供がやらないのは親の責任になります。
この状態を他責思考モードといいます。
子供が他責思考モードの親は、多くの場合次のようなことをしています。
- 子供の勉強の時間を決める
- 子供に勉強しなさいと言う
- 子供が勉強したら褒める
- 子供が勉強しないと叱る
- ラクに効果が出る勉強法を常に探している
頑張って頑張ってやっとの思いで子供に勉強させて、それでも成績が上がらず「我が子は勉強に向いてないのでは?」なんて考えている・・・
そんな嫌な未来を回避するための方法が、今回紹介した「勉強時間の最大化」です。
単純ですよね?
子供に「勉強時間を延ばせばいいんだって」と言って、
子供に「勉強する」と言わせればいいだけです。
子供が自責思考モードかどうか確かめるには、「~の勉強するのは誰が決めた?」と聞いてみてください
このページのまとめと次回のテーマ
ここまでのまとめです。
小学校1年生の算数を学ぶ手順を紹介しました。
今回は子供との関わりがメインとなる活動でした。
子供の学習動機4パターンを紹介し、学年別に理想像を整理しました。
また学習を効果的に進める方法を紹介しました。
次回は「学習と結果確認」というテーマで、小学校1年生の算数のカリキュラムごとの注意点について説明します。
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